2023年1月末と2月初めに覚王山の近く、池下にある古川美術館・爲三郎記念館を訪れました。とても良い美術館だったのでご紹介します。
古川美術館
初代館長故古川爲三郎氏 (1890~1993)が長年にわたり収集し大切にしてきた美術品を「私蔵することなく皆さまに楽しんでいただきたい」という想いから開館した美術館です。
1991年11月に開館しました。
古川爲三郎(ためさぶろう)とは
明治23年(1890)1月18日生まれ、西の松下幸之助、東の古川爲三郎と呼ばれた大富豪です。1988年にはアメリカの経済誌「フォーチュン」で世界最高齢の億万長者として紹介されました。
生涯現役を貫き、103歳まで生きました。
かつて存在した爲三郎氏が創業した約30社からなる企業グループ、ヘラルドグループ(Herald-Group)は映画館、飲食店の経営、映画の配給など幅広く事業を展開していました。
その中核企業であるヘラルドコーポレーションは、ゴルフ場開発の事業で多額の負債を抱え、2003年12月民事再生法の申し立てを名古屋地裁に行い、開始決定されました。
私は子供の頃にヘラルドシネプラザに映画を見に行ったり、男の子が笛を吹いている絵が印象的な大須のベルヘラルド(喫茶店)に行くことがありました。
いつの間にかどちらもなくなり忘れていましたが、久しぶりに思い出しました。
美術館内部
展示室が2つあり1階の展示室では所蔵企画展示が行われていました。
来館者の投票で選ばれた人気作品の展示ということもあって、ジュディ・オングさんの版画や伊藤深水氏の日本画など聞き覚えのある作家の作品が多数展示されていました。
2階展示室は地元の若手作家の作品などが展示されていました。
館内の大理石とらせん階段でつづく展示室など、バブル時代に建てられた雰囲気が残る建物ですが、ゆったりした静かな空間で、平日は来館者も多くなさそうなのでゆったり鑑賞することができます。
お得に入館するには?
通常古川美術館・ 爲三郎記念館2館共通入館券は、大人1000円・高大生500円・中学生以下無料です。
割引クーポン券
ホームページのメニューより、ご利用案内→割引クーポン券と進み、このページ(下記画像)を見せると200円割引してもらえます。
年間パスポート
「古川美術館」と「爲三郎記念館」 が、1年間何度でも利用できます。
通常、新規入会金 5000円のところ、2023年1月7日(土)〜2月26日(日)の間、入会キャンペーンをやっていて、なんと新規入会が3500円でした。
年パスの特典を考えると、すごくお得なので新規入会しました。
1月末に初めてこちらの美術館にきたのですが、年間パスポートは美術館フロントのみで受付のため、再度2月初めに訪れて申し込みをしました。
年パスの特典
① 1年間何度でも古川美術館と分館爲三郎記念館 への入館が可能。 (休館日除く)
②ご同伴者は4名様まで通常料金の半額で入館できる
入会当日から使用可能。同伴した母親は半額の500円で入館できました。
③ ミュージアムショップでのお買い物が10% OFF。 (一部対象外あり)
入会特典
① 古川美術館オリジナル図録を1冊プレゼント 。1500円相当。
前田青邨の図録をもらいました。
② 数寄屋カフェで使える呈茶招待券を2枚プレゼント。1400円相当。
早速、当日数寄屋cafeで使用しました。
入会日より1年間有効です。今回2月初めに申し込みしたのですが、2024年3月31日まで有効でした。
- 当日の入館料2人分 1000円× 2 = 2000円
- オリジナル図録 1500円
- 呈茶招待券2枚 700円× 2 = 1400円
合計4900円
当日だけで元が取れてしまいました。
明らかにお得ですよねー。
国登録有形文化財 爲三郎記念館 (旧古川爲三郎邸)
爲三郎氏が死ぬまで過ごした数寄屋造りの邸宅を、皆様の憩いの場に使用して欲しいという願いから、1995年より公開されています。
数寄屋造りとは、茶の湯や生花などのように風流を感じる建物の造りを費用を惜しまずに建てられた茶室風の日本建築のことです。
主な見所は
- 数寄屋造りで高床式の母屋 「爲春亭(いしゅんてい)」
- 5本の椎の大木がある日本庭園
- 足ることを知るという利休の教えから名づけられた茶室 「知足庵(ちそくあん)」
- 母屋の地下の茶室「太郎庵」
数寄屋cafe
母屋内部のカフェでは、お抹茶やコーヒー、和菓子、アイスクリームがいただけます。
窓際の席から足元をのぞきみると中山道の景勝地「寝覚めの床」からインスパイアされた石組(いわぐみ)、そこを流れる木曽川をイメージさせる水の流れがよくみえます。
正面の茶室や椎の大木も雰囲気があり、季節によって雰囲気が変わりそうです。
1月末、庭園を眺めながら、店員さんのオススメの季節限定の「ぜんざい」をいただきました。
和菓子屋さんのあんこを使ったぜんざいは程よい甘さです。
味変で梅昆布茶を飲むと、口の中がさっぱりして、ぜんざいを飽きずに最後までおいしく食べることができました。
お茶ではなく、梅塩昆布茶がチョイスされてるところが大変気に入りました。
当日はとても寒く、体が芯から温まりました。
2月の初めに訪れた時は、洋室で「抹茶と和菓子のセット」と「あん珈琲」をいただきました。
加藤令吉さんという瀬戸の作家さんのモダンなデザインの器でおいしい抹茶をいただきました。
あん珈琲のあんこは甘すぎずコーヒーとよく合います。
あんこがたっぷりなので結構お腹が膨れます。
コーヒーを飲み干すとおかめの顔が現れほっこりしました。
唯一の洋室は2席のみのこじんまりした空間です。
床もじゅうたんが敷かれていて、1月にきた時に座った茶室の窓際の席に比べて暖かかったです。
メニュー
ヘラルドグループのかつての同志5人が集まり、「ベルヘラルド」の流れをくむ洋菓子製造が、名古屋市内で再出発しています。
2021年(令和3年)4月26日(月)の中部経済新聞(日刊)にJ・Jファクトリーがアイスクリーム製造をはじめた記事が掲載されていました。
このアイスクリームがこちらで食べられます。
オンラインショップもあります。
メニューが書かれたおしながきの冊子の後ろのほうに、古川 爲三郎さんの長寿の秘訣とプロフィールが書かれてます。
歩き足りない時は、自宅石段を昇り降りしていたとか、酒は適量、ビールは冷えたものでなく、体のことを考えて常温で飲んだとか、喫茶店好きなど。
独自の生活スタイルと健康法が書いてあり、読み物としてなかなか面白いです。
様々な雰囲気のお部屋でお茶がいただけます。
それぞれのお部屋で楽しみ方が違うので、何度でも来たいなと思いました。
庭園
お茶した後、庭園を散策しているとシキザクラの花が咲いていました。
庭から数寄屋の母屋を眺めていると昔にタイムスリップしたような感覚になりました。
庭園への入り方
私は庭園へ入る道を間違えて外にでてしまったので、庭園へ入る道を記載しておきます。
母屋の細い脇道の方です。
後ろを振り返る。
帰り道を確認。
アクセス
地下鉄池下駅徒歩5分程。駅近なので、コインパーキングもたくさんあります。
1時間200円ぐらい。
1日最大1000〜1300円ぐらい。
古川美術館と爲三郎記念館に無料駐車場あり。
第2・3駐車場はコインパーキングで美術館フロントで駐車券がもらえます。
美術館近くの名鉄協商のコインパーキングは古川美術館の提携駐車場ではありませんのでご注意を。
まとめ
古川美術館で絵画を鑑賞し、旧爲三郎(ためさぶろう)邸で景色を眺めながらお茶を楽しむ。
覚王山の閑静な住宅地の一角に日々の喧騒を忘れることができる癒しの空間がありました。
文化のみちには大正ロマンを感じさせる素敵な建物あります
おしゃれカフェつながり
カフェもいいけど、名古屋といえば喫茶店